国名
インドネシア共和国 (Republic of Indonesia)
インドネシア語では、Republik Indonesia (レプブリク・インドネシア)と表記するようです。
言語
インドネシア語
人口
約2.47億人(2012年,インドネシア政府統計)
1998年に2億人を突破し、今なお増加し続けております。日本とは大違いですね。
首都
ジャカルタ(人口960万人:2010年,インドネシア政府統計)
このジャカルタの語源は、「ジャヤ」(偉大なる勝利)+「カルタ」(町)からきています。
通貨
インドネシアルピア
ちなみに通貨レート。1ドル=11,532ルピア(2014年4月30日,インドネシア中央銀行)
1ドル=110円で換算すると、1万円=1,048,363インドネシアルピアになってしまいます。100万ルピアですよ、100万!
宗教
イスラム教 88.1%
キリスト教 9.3%(プロテスタント 6.1%,カトリック 3.2%)
ヒンズー教 1.8%
その他、仏教 0.6%,儒教 0.1%,と続きます。(2010年,宗教省統計)
失業者率
6.24%(IMFによる2013年発表)
2005年11.48%をピークに減少しており、高度経済成長の真っ最中。
まさに、バブル経済に突入したところであります。
国章 ガルーダパンチャシラ
ガルーダパンチャシラとは、神鳥ガルーダが抱える盾に描かれた5つのエンブレムで、インドネシアの国章です。パンチャシラとは、インドネシア建国時に定定められた建国5原則です。
東南アジア諸国連合(ASEAN)の盟主とされ、アセアン本部もインドネシアの首都ジャカルタにあります。そのため、多くの国のASEAN大使が、ASEAN本部のあるジャカルタに常駐しており、日本も、2011年(平成23年)5月26日、ジャカルタに東南アジア諸国連合(ASEAN)日本政府代表部を開設し、ASEAN大使を常駐させています。
また、インドネシアに対する日本の援助実績は、
無償資金協力 10.8億円(2011年度)
有償資金協力 740億円(2011年度)
技術協力 92.5億円(2011年度,JICA実施分のみ)
と、主要援助国の中で52.5%(2010年OECD/DAC(グロス),%は二国間援助に占める割合)とトップ。その為か、国民の82%が日本に対して好意的に思っており、世界No.1の親日国家でもあります。
インドネシアにも納豆があるの?
実はインドネシアにも納豆があるんです。東南アジアでは珍しい『大豆文化圏』の国です。インドネシアの大豆発酵食品はテンペ(Tempe)と言います。酵母は日本のものとは異なり、日本の納豆のように糸を引くネバネバもないし、あの独特の臭いもしないヘルシー食品です。また豆腐は日常的に食され、インドネシア語ではタフ(Tahu)と言います。炒め物や揚げ物として使われることが多く、やはり熱帯のせいか生ではあまり食べられないようです。ジャワ島などでは、豆腐や納豆を目の前で揚げて売り歩く屋台もあり、いわばインドネシアのファーストフードと言ったところでしょうか。
そのほか大豆で忘れてはならないのがインドネシアの代表的な調味料ケチャップマニスです。これの主原料は大豆とココナッツ砂糖です。日本に置き換えると甘口醤油といったところでしょうか。ドロ~としていて甘い醤油ですが、一般的に東南アジアの味を代表すると言われているナンプラーとは違い、この大豆の甘口醤油を使ったインドネシア料理は日本人の味覚に馴染みやすいようです。ナシゴレン(焼き飯)やミーゴレン(焼きそば)は今や日本のレストランでも見かけるようになっています。このようにインドネシアはコメを主食とし、大豆とココナッツ砂糖から作った醤油を使う食文化を持っています。インドネシア人も甘辛のおかずで炊き立てのご飯をお腹いっぱい食べるのが大好きな人達なのです。
あの辛さの張本人は”小さな少年”?
インドネシア料理の辛味には、たくさんの生の香辛料が使われていますが、そのなかでもとりわけ辛い唐辛子がチャベ・ラウィット(CabeRawit)と呼ばれる青い小さな唐辛子です。チャベとは唐辛子を意味します。バリに行かれた方は市場でたくさん見かけたことと思います。日本でも昔から「山椒は小粒でぴりりと辛い」ということわざが伝えられていますが、実はインドネシアでもこのチャベラウィットのことをそのように表現する言葉があります。Laki-laki itu, kecil-kecil cabe-rawit !その小さい子供はチャベラウィットのようだ(小さいけれど勇気があって強い)という意味です。Rawitという単語には痛烈な批判という意味もあります。この意味のように、この小さな唐辛子は強力な力を持っています。とても辛いというだけではなく食物の腐敗を防ぐ殺菌力に優れているため、熱帯で冷蔵庫のない地帯での肉料理にはかかせない唐辛子です。
インドネシア料理の味の決め手
同時にインドネシア料理には生の香辛料や調味料がたくさん使われています。それらを総称してブンブー(Bumbu)と言います。とりわけチャベと並んで大きな位置を占めるのが根菜類。生のウコンや生姜、日本には珍しいクンチュールやバワン・メラなどの根菜が何種類もあります。インドネシアから生の根菜を輸入することが禁じられているのは残念なことです。
これらの根菜類以外には、サンタンといわれるココナッツジュースを使ったもの、また日本でも有名なガドガド(温野菜)やサテ(焼き鳥)などにはピーナッツソースが使われています。
インドネシア料理を特徴付けるものとしては、サンバルに象徴される唐辛子とサンタン(ココナッツ)、ウコンなどの根菜類、そしてカチャンと言われる豆類などです。
サンバル
サンバルとは日本料理で言えば、醤油やみそのような存在で、唐辛子ペーストの調味料のことです。出来上がった料理にサンバルを添えて辛さを調節したり、炒め物に加えてコクや辛さを調節します。魚料理や肉料理、野菜にあうサンバルなど様々な用途で使いわけられるだけでなく、地方や家庭、お店ごとに味が違い、美味しいサンバルが作れるかどうかは家庭やお店の誇りでもあります。とくにティラシ(インドネシアの海老味噌)と唐辛子やトマトをすり潰して作るサンバル・ティラシは有名です。これさえあればなんでもインドネシアの味に変わってしまう不思議な魅力があるサンバルです。たまにはサラダをマヨネーズからサンバル・ティラシに変えてみては如何ですか?身体に良いこと請け合いですよ!
ジャワティとバリコーヒー
西ジャワから中部ジャワにかけて山間部にはお茶畑がたくさん見つけられます。バンドゥンの郊外には、まるで日本の風景と見間違うような美しいお茶畑が広がっています。ジャワではお茶は毎日飲む欠かせない日常品で、種類も多く、様々なシチュエーションでお茶が楽しまれています。中部ジャワのテガルはテラコッタでできたポット(急須)の産地で、大きな急須に小さなカップが数個セットでたくさん売られています。お茶の花も茎も入った種類のジャワティは香りも良く外国人にも好まれています。また若者には、テー・ボトルと言う長細いビンに入った甘いお茶飲料水が人気で、最近では冷蔵庫に冷やした冷たいものがどこにでも売られるようになり、栓を抜いたビンにストローをさして、日陰に座り込んで涼を取る姿が、町の日常風景になっています。
インドネシアは世界的にもロブスターコーヒー豆の産地として有名ですが、国内ではコーヒーはお茶に比べて価格が高く、バリではバリコーヒーというように各地にそれぞれのコーヒーがありますが、世界的にも有名なのがスラウェシ島のトラジャ地方のコーヒーです。また飲み方はドリップを使わず、炒った豆を粉末にしてそこにお湯を注ぐ方法が日常的です。深めのマグカップに粉末コーヒーとお湯を入れ、その上にたくさんの砂糖を入れてかき混ぜて一旦フタをします。粉末が下に沈殿するのを待ってからゆっくり味わいます。この独特な飲み方は、南国の空気にぴったりした味わいを持っています。
豊かな自然の恵み・・・果物の宝庫インドネシア
雨季にインドネシアに訪れると果物の豊富さに本当に驚かされます。市場には溢れんばかりの果物が並び、それもジューシィで甘く人々を幸せな気分にしてくれます。日本には珍しい果物がたくさんあるのですが、現状では残念ながら日本へは生の果物は輸入できません。そこで今回はナンカ(ジャックフルーツ)のチップスやプディング状になったマンゴやココナッツを紹介します。ナンカはとても大きな楕円形の果物で、インドネシア全域でみられます。ビタミン豊富な果物で、青いうちは料理に使い、熟したら果物として食されます。マンゴは日本の桃のような果物で、たくさんの種類があり、色や大きさ、味も様々で、地域ごとに少しづつ収穫時期も違い、インドネシア人の誰もが好む代表的な果物です。またココナッツは果物としても、またのどの渇きを癒してくれるジュースとしても愛飲されていますが、同時に捨てるところのない植物とも言われ、椰子の実や殻はもとより、根から幹、葉まで全てが日常生活に活用されています。
インドネシア人とお酒
今やインドネシア人の90%以上がイスラム教信者であり、飲酒はあまり良い習慣とは思われておりません。そのためジャカルタなどでは庶民が行く飲食店にはアルコール飲料が置かれていないことが普通ですが、それでも実際、多くのインドネシア人がビールなどを口にしているようです。国内産のアルコール飲料の代表はビンタンビールです。また仏教やヒンズー教の昔から飲まれていたお酒にアラック(Arak)があります。アラックとは蒸留酒をさしている表現と思われます。現在バリなどにはスーパーでアラックを購入することができますが、それらはほとんど米の蒸留酒です。しかし本当にバリ人が大好きなのは椰子の蒸留酒です。農家などで醸造されお祝いの時には飲まれているようですが、市販はされていません。
ジャムーの世界
インドネシアには、ジャムー(インドネシア漢方)とピジット(リンパマッサージ)による民間医療が今も根付いています。昨今、世界中が代替医療を求めるようになり、改めてインドネシアの民間医療が注目を浴びるようになっています。ジャムーは主にインドネシアに生育する植物の根や茎、葉、実、花などを磨り潰して作られることが多く、中国の漢方薬に似ていますが、ちょっと違います。インドのハーブ療法と中国の漢方をミックスしたような感じがします。とりわけウコンなどの根菜には大きな薬効があります。インドネシアにはウコンだけでも白ウコンやクスリウコンなどたくさんの種類があり、肝臓病に効果があると謂われるクルクミンの含有量も沖縄ウコンの数十倍もあると最近の研究で明らかになっています。ジャワ島の風物詩でもあるジャムー売りのおばさん達は、できたての暖かいジャムーを担いで村々の辻を歩いて回ります。風邪に効くジャムーから痩せるジャムーまたはた精力剤としてのジャムーなど、効き目のほどはさておき面白いジャムーがたくさんあります。更にドリンク剤として飲用されるだけでなく、シャンプーや石鹸、化粧水などコスメティックとしても利用されています。オランアリンというキク科の植物は磨り潰すと泡立ちがよく昔からシャンプーとして活用され特に黒髪に効用があります。またマンコカンの葉から作られたコンディナーは頭皮を活性化するととともに髪に艶を与え整える効果があります。日本では白檀として知られるサンダルウッドやナイイトクィーンの名で知られる花の香りなどアロマの原材料も豊富です。長い間伝承されてきた驚くべきジャムー世界の研究は今まだ始まったばかりです。
インドネシアの伝統工芸品
インドネシアは伝統工芸品の宝庫です。手の込んだハンドメイドの技術と高い芸術性が特徴です。とりわけバティックやイカットに代表される布製品は世界的にも誇れる伝統工芸品です。バティックはろうけつ染、イカットは絣織物で、各地には伝統的なモチーフがあり、一枚のサロン(腰巻)を仕上げるのに1ヶ月から半年もかかるものまであり、今では高級品となってしまい、庶民はプリントもので代用することが多いようです。とりわけバティックは『ジャワ更紗』としてかつて日本の女性たちに愛用され、帯などに使用されていたようです。戦争中には日本軍への貢物としてバティックが重宝され、日本の友禅のモチーフを使ったバティックが生産されました。今でもジャワ島のプカロンガンでは花鳥風月を描いたバティックが受け継がれ『HOKOKAI』(奉公会)という名前が付けられています。
伝統工芸のもう一つのジャンルは森林の恵みから生み出されるファニチャーの世界です。チーク材や竹、ラタンなどの素材を使ってハンドメイドで作られる家具・インテリアには、暖かさやナチュラルさが感じられ独特の風合いがあります。最近は癒しをテーマに日本でもインドネシアのファニチャーがブームになりつつあります。