上後鋸筋M. serratus dorsalis cranialis.
この筋は薄い幅の広い腱をもって菱形筋の筋束方向とよく似ている。下部2個の頚椎と上部2個の胸椎の棘突起からおこり,外側ならびに下方に走って鋸状に4つに分れて,第2~第4肋骨で,その肋骨角より外側のところに付いている.
神経支配:Ⅰ~IV胸神経(時にVIII頚神経も加わる)の前枝による.(肋間神経)
脊髄節との関係:Th. I~IV,更に40%においてC. VIIIも加わる.
作用:この筋が停止している肋骨を挙上する.呼吸筋の補助
変異:この筋が全く欠けていることがあって,その場所には筋膜だけがみられる.起始および停止の数が増し,または減っていることがある.第7頚椎および第1胸椎の起始だけは常に存在する.停止Insertionは起始の数が多いか少いかに応じて第1~第6肋骨に及ぶこともあり,あるいはわずか2本の肋骨だけから起ることもある.
下後鋸筋M. serratus dorsalis caudalis.
この筋は下部2個の胸椎および上部2個の腰椎の高さで腰腰筋膜Facia thoracolumbalisの1葉からはじまり,外側および上方に走り,上後鋸筋と同じように鋸状に4つに分れて最下4個の肋骨の下縁で,肋骨角の外側に付いている.明らかなことといえば、上後鋸筋は胸腰筋膜より浅層にあるのに対し、下後鋸筋はその腱膜線維が直接、胸腰筋膜Facia thoracolumbalisに強く癒合しており,この筋膜を緊張する関係(M. tensor fascia)にあるという微妙な違いだけである.支配神経が肋間神経ということから本来の背筋ではないことを示している。
神経支配:IX~XII胸神経の前枝による.(肋間神経)
脊髄節との関係:Th. IX~XII.
作用:この筋は胸腰筋膜Facia thoracolumbalis を緊張させながら肋骨を下制する.呼吸筋の補助
変異:この筋も上後鋸筋のように欠如して,腱様の膜によって代られていることがある.その起始と停止ははなはだ変化に富んでいる.
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