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2016.05.02

背筋 Musculi dorsi 背部にあって上肢に関するもの 僧帽筋 M.trapezius,

僧帽筋という名称は、この筋が僧帽に似ていることに由来しているらしいが、ピンと来ないのは私だけではないはず。

Pope Benedict XVI, greets faithful upon his arrival at St. Patrick's Cathedral in New York to celebrate  Mass, Saturday, April 19, 2008. (AP Photo/Vincenzo Pinto, Pool)
ローマ法王ベネディクト16世の帽子

 僧帽筋は扁平であり、しかもその各部分でいろいろと厚さが違っていて、上部がやや分厚いことが多いように思う。この筋は薄い腱をもって外後頭隆起から起る。更に短い腱をもって項中隔、 第7頚椎および胸椎全部の棘突起と棘上靱帯とから起る。下部の頚椎と上部の胸椎の範囲ではこの筋に1つのかなり大きい菱形の腱鏡Sehnenspiegelがある。この筋は下行(上部線維)、横走(中部線維)および上行(下部線維)する筋束をもって肩帯に向い、鎖骨の外側1/3 肩峰ならびに肩甲棘に付着している。

 神経支配:副神経 頚神経叢

 脊髄節との関係:C. II III IV. (頚髄の 2 3 4髄節)つまり頚椎でいうところの1-4のレベル

 作用:上部線維は肩甲骨と鎖骨の外側端を引きあげる(挙上)。上肢の重みで肩甲骨が下方へずれるのを防止する。
中部線維は肩甲骨の椎骨縁を棘突起に方向に引き寄せる(内転)。肩を後ろに引く。
下部の線維は肩甲骨を下方に引くとともに上方回旋して、肩関節の外転を補助する。
上部線維は両側がはたらくときには頭を後方に曲げ、片側がはたらくときには頭を反対側の上を見るように回す。

変異について

筋の左右がわずかに非対称であることは、通常である。
筋起始の減少は,男性よりも女性に多く見られるらしい。極端に僧帽筋起始が減少している場合にはその上方はわずかにC. IVまでで、また下方はTh. VIII, IX, Xまでしか存在しない。鎖骨部を欠如することもある。
過剰筋束は、時にこの筋の上部の前縁に見られ、これを鎖骨後頭筋束Fasciculi cleido-occipitalesという。これが胸鎖乳突筋の鎖骨部に加わるのをみたことがある。この筋束は、しばしば頭蓋骨に付着しないで上位頚椎の肋横突起に停止し、特に環椎に終ることが最も多く、これを鎖骨環椎筋M. cleido-atlanticusというらしい。私が見たのは、三角筋や鎖骨下筋と結合していた。

僧帽筋 画像1

 

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