インドネシア大学人体解剖実習 三日目 本日より下肢の解剖です。
ホテルでの朝食の様子。
出発前にロビーで本日の実習の目的や要望などを再確認いたします。
夜にどこか行きたいところなどがあれば遠慮なく言って下さい^^
では大学に移動して解剖実習(下肢)のスタートです。
事前の講義はDr.Dini先生でした。
午前中は臀部から大腿後面を解剖していきます。
午後は大腿部の前面の解剖を行う予定です。
一通り講義をしたらpre testです。
まずは大きな殿筋群を観察していきます。
代表的な神経や脈管を観察していきます。
深部にある外旋六筋の立体構造を理解していきます。
梨状筋と上下双子筋と内閉鎖筋の立体構造も面白いところですね。いわゆる坐骨神経がどのように圧迫や牽引を受けるのか理解できたと思います。単純に挟まれるだけじゃないですね^^(注 坐骨神経には様々な走行パターンがあります)
坐骨神経に沿って走行する細い血管も確認します。これが圧迫されたらとおもうと・・・・・。
小殿筋が関節包に付着している様子や、股関節の屈曲・伸展・内外転・回旋でどのように深部の筋が作用するのかを、実際に動かして観察しました。
大腿部のコンパートメントは、前部、内側部、後部の3つです。
後部にあるハムストリングスをしっかりと見ていきましょう。
ここでは半腱様筋と半膜様筋の形状と位置関係について新たな発見があったという声がありました。
半膜様筋は字の如く、厚い膜様の形をしています。
半腱様筋は棒状です。
半膜様筋の表層に半腱様筋が乗っかるように位置していたことが発見だったようです^^実際の人体と教科書とは違うということを気づいて頂ければ幸いです。
午前のcoffee break
次は内側のコンパートメントを観察していきます。
股関節の内転筋群、脈管、神経など重要な箇所ですのでしっかりと観察していきます。
膝窩は臨床上でも特に興味深いところです。
膝関節後方の関節包や靭帯などを探っていきます。
膝後外側支持機構(PLC)は、膝外側側副靱帯、弓状靭帯、膝窩腓骨靱帯、膝窩筋などによって構成されていることを確認して、できるだけ関節包周辺の軟部組織を温存した状態にしました。
ご遺体の膝関節を90度屈曲位にして、下腿の回旋可動性があることを確認しました。(インドネシア大学では特殊処理により関節を動かすことができるご遺体を使います^^)
腓骨頭(近位脛腓関節)へのアプローチを実際に行いながら、同時に下腿に回旋を加え、膝後外側支持機構への影響をご自身の手と目で確認して頂きました。
膝関節の回旋可動性を見ることは、臨床上とても重要なポイントの一つですね。
その2へ続く