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2015.08.25

人体解剖実習2015 初日その2 肩関節の屈曲や伸展、内外旋によって広背筋がどのように作用するかを確認しました

順調に皮切が進んでおります。

10:00頃に最初のcoffee breakに入りました。

インドネシア大学での人体解剖実習は疲れないように90分毎に休憩時間を設けています。解剖中は集中するので、気がつかないうちに肩・首・腰・手を酷使することが多いです。疲れてくると余計な力が入ってしまい、思わぬ事故に繋がります。ストレスを貯めないようにリラックスして解剖を学ぶためにも休憩は大切なんです。

講師と一緒に別室で温かい飲み物やお菓子を頂きます。

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休憩中は、講師の先生方と趣味や家族の話などをしました。

 

休憩中は日本語のわかる通訳さんも一緒ですので、気兼ねなく会話を楽しむことができます。

 

休憩の間、ご遺体の周囲や道具などのクリーニングが行われています。

 

次は胸部前面の筋の観察に入ります。

 

きれいに整頓された環境でスタートです。

 

筋膜を剥がしながら、大胸筋・小胸筋・前鋸筋を観察していきます。

 

続いて上腕部の皮膚も剥がしていきます。

 

ここで、大胸筋が上腕骨に付着する部分で捻れている構造を見て喜んでいる参加者がいらっしゃいました。

 私も初めて目にしたときには、同じような感じだったのを思い出しました。ちゃ~んと、その理由も説明いたしましたよ^^

 

小さいことかもしれませんが、こういうのは嬉しくなりますね。

 

烏口腕筋・上腕二頭筋・上腕筋を観察して

 

筋の形状や厚み、位置関係を目で確認することで立体的なイメージができるようになります。

 

腋下動脈 正中神経 尺骨神経 三角筋も観察しました。

 

今回のご遺体は女性で脂肪組織もほとんど無く、筋は薄めでした。

 

文章も簡単に書いていますが、本当に楽に解剖が出来ているのです。

 

事前にDr.isabellaが半身を見本にできるようにして下さっていたので、とてもスムーズに解剖が進んでいます。

 

 表皮を剥ぐのも、上手に引っ張るときれいに薄く剥がすことができます。

 

個人的には解剖するには100点に近い状態のご遺体だと思いました。

 

今後もこのようなご遺体で解剖できれば良いのですが・・・・・・。

 

どうやら、解剖する期間に合わせて、事前に特殊な処理をするようです。

 

解剖しているときの状態では保管が難しいとのこと。(カビが発生してしまう)

 

解剖が終わったら、また保管に適した処置を施すそうです。

 

刺激臭も ニオイもほとんどありませんでした。

 

それでは昼食にはいります。

 

インドネシアといえば「ナシゴレン」

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付け合せのサンバルが辛いので、辛いのが苦手な人はご注意を。
でも辛いだけではなくて旨味もあるんですよ。

 

 

午後はうつぶせにして背部の皮切を行います。

 

我々が休憩している間、男性スタッフが道具の手入れや洗浄、ご遺体周囲のクリーニングを徹底して行います。

 

気分をリフレッシュして午後の解剖のスタートです。

 

ご遺体を動かすのは男性スタッフが行ってくれます。結構重たいですからね。

 

背部にマーカーでラインを引き、皮切していきます。

 

良い意味で緊張もほぐれて来たようです。

 

力任せに引っ張らなくなりました(笑)

 

背部の皮膚の厚みを確認しつつ、筋膜も観察していきます。

 

筋線維が見えるまで筋膜を剥がしていきましょう。

 

僧帽筋・大小菱形筋を観察していきます・

 

小菱形筋はC5-C7から始まり、大菱形筋Th1ーTh5から始まることを確認しました。

 

 

続いて、肩甲挙筋 上下後鋸筋 副神経 肩甲背神経 ローテーターカフの確認をしていきます。

 

「解剖学を学ぶコツ」
①まずは大まかに捉える
②そして細部を見ていく
③そしてもう一度大きく捉えていく

 

僧帽筋の全貌がきれいに見えるように筋膜をきれいに剥がします。
臨床的には下部線維が重要ですので、走行や胸腰筋膜に付着していることを自らの手で確認してもらいました。

 

広背筋が見えるように筋膜をきれいに剥がします、今回は大結節まで伸びる筋線維が両側に確認できました。

 

そして、動かせるご遺体だから出来ること!

 

肩関節の屈曲や伸展、内外旋によって広背筋がどのように作用するかを確認しました。
(この様子の動画がありますので、参加希望者で見てみたい方はサイトよりご連絡下さい)

 

この間の説明はすべて英語で行われておりましたが、皆さん英語に随分と耳が慣れてきたようです。

講師の説明をちゃんと理解できていました^^

 

そして、筋膜リリースについて質問がありましたので、様々な部位で体験してもらいました。
良い意味でイメージが出来たのではないかと思います。

 

筋は起始と停止も重要ですが、筋膜や他の筋との関連性、神経支配、肢位によって関節運動の作用が変わっていくことも重要なことです。

実際に解剖すれば誰でもわかることです。ただ実際に見てみないとわからない。

 

インドネシア大学の関節の動くご遺体でこそ学べることがあります。

 

筋骨格系に特化した解剖実習に是非ご参加ください。

  

熱意の有る方ご連絡をお待ちしております。

 

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実習終了後には post testがあります。
本日学んだ内容をチェックします。
回答は英語でも日本語でも構いません。

 

みなさんとても良くできていました^-^ 

 

着替えて、お茶を飲んでゆっくりしてから帰ります。

 

実習が終わった後は・・・・・・冷たいビールですよね^-^

 

インドネシアではこの3月に小売店で酒類の販売が禁止されたようです。
1月に来たときには何処のコンビニでも買うことが出来たのに・・・・。

 

デポックで一番大きなモールに行ってもありません。
ノンアルコールビールはあるのですが、肝心のモノがありません。

半分諦めかけていたところ・・・・・・・。
モール内にカラオケを発見。

姉さん「カラオケにあるんじゃない?」
   「絶対ある・・・・きいてみよう!」

店員「・・・・・・あ・ありますが・・・・」

姉さん「持ち帰るから頂戴」

店員「・・・・・冷えていないのですがいいですか?」

姉さん「7本ね」

 

姉さんさすが!さすがです。
さらにおつまみにチキンウイング(手羽の唐揚?)を購入して帰りました。
私が両替を忘れていたせいで皆様にご迷惑をお掛けして申し訳ありませんでした^^;

 

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苦労して手に入れたビールは格別でした^^ 

 

明日は前腕と手の解剖です。

それと、参加者様から要望があったので、明日は肩峰下滑液包 とインピンジメントについて解説する予定です。

 

  

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