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2015.09.10

人体解剖実習2015 三日目 その2 大腿筋膜張筋と中殿筋は兄弟筋 大腿三角には何がある?

インドネシア大学靭帯解剖実習 三日目 下肢前面の解剖に入ります。

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大腿筋膜が外側と内側で深部に進入して、大腿部の伸筋群と屈筋群を区切る septum intermusclare 筋間中隔となることを確認します。外側で特に肥厚しているのが tractus iliotibialis 腸脛靭帯です

 

m. tensor fasciae latae 大腿筋膜張筋と腸脛靭帯の関係をしっかりと確認しました。
大腿筋膜張筋は中殿筋と発生学的に同じなんです。支配神経もおなじ上殿神経で作用も似ています。臨床上重要な部分なのでしっかりと観察していきます。

 

腸脛靭帯を段階的に水平に切断することで、大腿筋膜張筋が腸脛靭帯(大腿筋膜)の中に入り込んでいく様子を確認しました。こうすることで大腿筋膜との関係も理解できたと思います。

 TFL断面図

伏在裂孔と大伏在静脈を確認します。この静脈は下腿部まで伸びており静脈注射をする際に使われる静脈ですね。

 

続いて m. sartorius 縫工筋を観察します。イタリアで伝統的な仕立て技術を使って仕立てたスーツを「サルトリア・スーツ」、伝統的な仕立て技術のことを「サルトリア・テーラリング」などと呼んだり、テーラードアイテムを意識したデザインのことを「サルトリア風」と表現したりするそうです。覚えやすいですね^^作用は「あぐらをかく」です。

 

 

「大腿三角には何があるのですか?」と質問がありました。

 

鼡径靭帯・長内転筋・縫工筋の三者によって囲まれた部分を大腿三角といいます。

 

Femoral trigone of Scarpa  スカルパ三角とも呼ばれる部分です。

 

大腿三角の底面は腸腰筋表面の腸骨筋膜と恥骨筋表面の筋膜とがあわさって、凹みとなっています。この凹みの部分を fossa iliopectinea 腸骨窩といいます。

腸骨窩を大腿動静脈が走り、その奥に股関節の大腿骨頭が触知できます。(後ほど腸腰筋を一部剥離して直接関節包と介して大腿骨頭を触ります)

 

体表面からでも見当をつけることが出来ます。

 

構造物をしっかりと確認していきましょう。

 

大腿神経

 

大腿鞘と大腿動脈・静脈

 

鼡径靭帯・長内転筋・縫工筋靭帯

 

腸恥筋膜弓が血管裂孔と筋裂孔を隔てている様子
ここで忘れてはいけないのが n. cutaneus femoris lateralis 外側大腿皮神経ですね、字の如く大腿外側の知覚神経です。

 

大腿輪

 

 

 

scarpa triangle

 

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次は大腿四頭筋や内転筋管と膝内側の痛みの関係です。

 

 

 

 

 

  

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